2009年度「掲西県河婆鎮衛生院医療機器整備計画」
(視察日時:2015年10月14日)
2009年度、日本国政府は同衛生院が直面していた各医療機器(救急車・麻酔台・分娩時処置セット等)の老朽化・不足の問題を解決するために、91,417米ドルの資金援助を行いました。
本プロジェクトの実施により、河婆鎮の人口1.9万人とその周辺住民の医療環境が改善され、同院のスタッフもより良い環境で安心して診療に専念できるようになりました。視察時には、同院院長から「以前は医療レベルが低く、機器も不足し業務に支障をきたしていましたが、プロジェクト完了後は患者によりよい医療サービスを提供することができるようになり、住民、スタッフともにとてもありがたく感じています。」との感謝の言葉が述べられました。
同院では、援助による新しい機器にスタッフが対応できるようにするため、上級の医療機関にスタッフを派遣し研修を行っており、医療設備の効果を十分に発揮できるようになったということです。現在では年間の外来患者数2,000人、入院患者数200人、入院出産も80例を超えています。さらに、帝王切開、ヘルニア、盲腸の施術も可能となり年間30以上の手術を行い大きな効果を挙げています。
また、中国では救急車の利用は有料となることが一般的ですが、援助により配備された救急車は無料で妊産婦や急患の診察・輸送等に使用されています。他にも、農村地域住民の健康診断や婦人のがん検診、健康教育、高齢者の健康管理、ボランティア治療といった目的で、年間189日間、同鎮内で延べ約3万人に利用されました。
このように、わが国の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」は農村地域の住民の生活・医療サービス向上に大きく役立っています。
