令和6年度天皇誕生日祝賀レセプションの開催
令和7年3月5日
3月5日、当館は、花園酒店国際会議場において、令和6年度天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。
今次レセプションでは、鄧海光・広東省政協副主席、張雅潔・広州市政協副主席ほかをお迎えし、また、広東省、福建省、海南省、広西チワン族自治区の政府、企業、文化・教育界の皆様、在留邦人代表、領事団より750名を超える賓客に御出席いただきました。
貴島総領事は挨拶の中で、文化や料理の具体例をあげながら両国交流のあり方について述べました。昨年11月の日中首脳会談において両首脳が交流の重要性を再確認したことについて提起しつつ、華南の地でも様々な交流を通じて具体的な行動を積み重ねていきたい旨述べました。
会場では、東風汽車有限公司東風日産乗用車公司の御協力により「Nissan N7」をディスプレーしました。また、多くの日系企業、地方自治体事務所、津軽三味線演奏者や生け花等よりブース出展やステージイベントにつき御協力を賜り、高品質な日本製品、日本食品、サービス、多様な地方の魅力、日本の伝統文化等を賓客にアピールしました。
なお、貴島総領事による挨拶全文は以下のとおりです。
ご来場の皆様、本日は天皇陛下誕生祝賀レセプションにご参加頂きありがとうございます。
さて、昨年来、日本でも中国華南地域でも自然災害のニュースが続き、そのたびに心を痛めました。改めて、被災者の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、復興に尽力されている全ての方々に敬意を表します。世界に目を転じれば、戦乱の中で数え切れない命が失われ、人々が飢えや怪我、恐怖から解放されていないこと、そして私達がこうした同胞を救うことに成功できていないことを嘆かざるを得ません。
一方、お集まりの皆様の多くの頭を占めるのは、中国の景気と事業の将来かもしれません。と同時に、罪もない子供や市民が突然殺されるという事件を目の当たりにし、安心安全の確保が基礎中の基礎だと思い知らされた2024年でした。私が各地各界の皆様と意見交換する中でも、話題の中心は常にこの難題をどう克服していくか、でした。
そんな中、本日はあえて文化交流についてお話しさせていただきます。
先日、佛山市外事局の協力も得て、日中の親子でお寿司と元宵節のお団子スイーツを作るイベントを開催いたしました。子供達の笑顔から、未知の文化を知る喜び、一緒に「美味しいね」と言葉を交わす楽しみ、自身の国の伝統文化を相手に褒めてもらって感じる誇らしさが伺われました。ほほえましいととともに、大きな示唆を得たと思いました。
文化や芸術の価値の一つは、国の違いを超えて人に感動を与える力です。感動は尊敬や好奇心を、共感は友好を、文化に触れる喜びや楽しみは生きる力を人に与えてくれます。だからこそ、各国政府は自国の文化を大切にし、継承を奨励し、人々は自身の伝統文化に誇りを持ちます。
けれども、私は、全員が自国あるいは故郷の文化を絶対に学ばなければならないとは思いません。文化は人類の共通遺産です。人生のどこかで、たまたま触れた文化がとても楽しかったから、感動を与えてくれたから、という理由で他国の文化を好きになるのも自然なことですし、大いに歓迎すべきです。好きすぎて、全力でその文化を学び継承者になったとしたら尊敬に値するのであり、国籍を理由に排除すべきでもなければ、非愛国者と非難されるべきでもないと思います。日本の国技である相撲でも、トップである横綱をモンゴルの方が独占する時代をくりかえしています。
広州に来て、広東人の誇る文化について尋ねれば、直ちに「広東料理!」との回答が返ってきます。もちろん、潮州に行けば絶対潮州料理、泉州に行けば泉州料理、順徳では順徳料理、梅州に行けば客家料理、と、ダイエットなど許さぬ、と言って、何が何でも美味しい料理を私に味わわせようという圧力を感じます。当地の料理界の方々と交流する中で、その伝統の継承と世界中の新しい素材や調理方法を取り入れ独自の味を模索するプロの料理人達の創造精神に触れ、国際交易都市らしい文化の保護と発展の姿を見、それをはぐくむ広東人気質への尊敬が深まりました。
料理文化のプロから学べることがもう一つあると考えます。料理人は店や腕は競っても、美味しいものは互いに味わい取り入れることに関して貪欲ですし、自分のお店に食べに来るライバルを拒否しません。世界中の食材を集めることができ、味のわかる舌を持った人と調理のプロが 集い競う街こそ真の美食の街として発展します。ビジネスに身を置く者、自由貿易を謳い世界の経済発展を推進しようとする者が学ぶべき精神ではないでしょうか。
今年は大阪・関西万博が行われます。各国から最先端の技術が集まります。自国の展示内容を誇らしく思うと同時に、他国の展示内容にも賞賛をいただければ幸いです。文化と同じく科学技術やデザインも人類の共通遺産なのです。
石破茂総理と習近平主席も首脳会談の中で、交流の重要性を再確認されています。日本の伝統楽器や音楽も中国から伝わった後、千数百年かけて独自の発展を遂げました。今、一人の芸術家が日本の楽器と中国のメロディーの融合を模索中です。この後、是非、その成果を味わってみてください。中国の仏前に花を生ける文化も日本で数百年かけて華道の各流派に発展しました。後ほど、会場内の作品をご鑑賞いただければ幸いです。
私達の目指すべき国際交流の姿を思索するきっかけとして、本日のレセプションを楽しんでいただければ、私の喜びです。同時に、常日頃から各分野の交流の推進にご尽力いただいている友人の皆様、そして、とりわけ美食と美食によるもてなしの心意気を私達に経験させてくださった広東、福建、海南、広西チワン族自治区の友人の皆様への感謝の表明とお受け取りください。ありがとうございました。



【御協力いただいた日系企業等】(順不同)
アサヒビール株式会社、株式会社ケイブライト、キッコーマン(上海)貿易有限公司、キヤノン(中国)有限公司広州分公司、麒麟(中国)投資有限公司、広州広熱商貿有限公司、広州スイスホテル、広州ヤクルト株式会社、三得利(中国)投資有限公司、全日本空輸株式会社、大成産業株式会社、宝酒造食品有限公司広州分公司、東風汽車有限公司東風日産乗用車公司、日本航空広州支店、三菱商事(広州)有限公司、ライフパートナー、深圳市和煜貿易有限公司
【御協力いただいた地方自治体】(順不同)
大分県上海事務所、大阪市、大阪府上海事務所、北九州市、栃木県香港事務所、長崎県上海事務所、日本公益財団法人愛知産業振興機構上海代表処、日本公益財団法人福島県産業振興センター上海代表処、日本公益財団法人横浜企業経営支援財団上海代表処、兵庫県香港経済交流事務所、福井県、福岡市、宮城県大連事務所、宮崎県香港事務所
【御協力いただいたその他団体】(順不同)
独立行政法人日本貿易振興機構広州事務所、日本政府観光局(JNTO)広州事務所、池坊広州支部、小原流花道深圳支部、広州草花薈、津軽三味線広原流奏者:武仁(TAKEHITO)

今次レセプションでは、鄧海光・広東省政協副主席、張雅潔・広州市政協副主席ほかをお迎えし、また、広東省、福建省、海南省、広西チワン族自治区の政府、企業、文化・教育界の皆様、在留邦人代表、領事団より750名を超える賓客に御出席いただきました。

貴島総領事は挨拶の中で、文化や料理の具体例をあげながら両国交流のあり方について述べました。昨年11月の日中首脳会談において両首脳が交流の重要性を再確認したことについて提起しつつ、華南の地でも様々な交流を通じて具体的な行動を積み重ねていきたい旨述べました。

会場では、東風汽車有限公司東風日産乗用車公司の御協力により「Nissan N7」をディスプレーしました。また、多くの日系企業、地方自治体事務所、津軽三味線演奏者や生け花等よりブース出展やステージイベントにつき御協力を賜り、高品質な日本製品、日本食品、サービス、多様な地方の魅力、日本の伝統文化等を賓客にアピールしました。

なお、貴島総領事による挨拶全文は以下のとおりです。
ご来場の皆様、本日は天皇陛下誕生祝賀レセプションにご参加頂きありがとうございます。
さて、昨年来、日本でも中国華南地域でも自然災害のニュースが続き、そのたびに心を痛めました。改めて、被災者の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、復興に尽力されている全ての方々に敬意を表します。世界に目を転じれば、戦乱の中で数え切れない命が失われ、人々が飢えや怪我、恐怖から解放されていないこと、そして私達がこうした同胞を救うことに成功できていないことを嘆かざるを得ません。
一方、お集まりの皆様の多くの頭を占めるのは、中国の景気と事業の将来かもしれません。と同時に、罪もない子供や市民が突然殺されるという事件を目の当たりにし、安心安全の確保が基礎中の基礎だと思い知らされた2024年でした。私が各地各界の皆様と意見交換する中でも、話題の中心は常にこの難題をどう克服していくか、でした。
そんな中、本日はあえて文化交流についてお話しさせていただきます。
先日、佛山市外事局の協力も得て、日中の親子でお寿司と元宵節のお団子スイーツを作るイベントを開催いたしました。子供達の笑顔から、未知の文化を知る喜び、一緒に「美味しいね」と言葉を交わす楽しみ、自身の国の伝統文化を相手に褒めてもらって感じる誇らしさが伺われました。ほほえましいととともに、大きな示唆を得たと思いました。
文化や芸術の価値の一つは、国の違いを超えて人に感動を与える力です。感動は尊敬や好奇心を、共感は友好を、文化に触れる喜びや楽しみは生きる力を人に与えてくれます。だからこそ、各国政府は自国の文化を大切にし、継承を奨励し、人々は自身の伝統文化に誇りを持ちます。
けれども、私は、全員が自国あるいは故郷の文化を絶対に学ばなければならないとは思いません。文化は人類の共通遺産です。人生のどこかで、たまたま触れた文化がとても楽しかったから、感動を与えてくれたから、という理由で他国の文化を好きになるのも自然なことですし、大いに歓迎すべきです。好きすぎて、全力でその文化を学び継承者になったとしたら尊敬に値するのであり、国籍を理由に排除すべきでもなければ、非愛国者と非難されるべきでもないと思います。日本の国技である相撲でも、トップである横綱をモンゴルの方が独占する時代をくりかえしています。
広州に来て、広東人の誇る文化について尋ねれば、直ちに「広東料理!」との回答が返ってきます。もちろん、潮州に行けば絶対潮州料理、泉州に行けば泉州料理、順徳では順徳料理、梅州に行けば客家料理、と、ダイエットなど許さぬ、と言って、何が何でも美味しい料理を私に味わわせようという圧力を感じます。当地の料理界の方々と交流する中で、その伝統の継承と世界中の新しい素材や調理方法を取り入れ独自の味を模索するプロの料理人達の創造精神に触れ、国際交易都市らしい文化の保護と発展の姿を見、それをはぐくむ広東人気質への尊敬が深まりました。
料理文化のプロから学べることがもう一つあると考えます。料理人は店や腕は競っても、美味しいものは互いに味わい取り入れることに関して貪欲ですし、自分のお店に食べに来るライバルを拒否しません。世界中の食材を集めることができ、味のわかる舌を持った人と調理のプロが 集い競う街こそ真の美食の街として発展します。ビジネスに身を置く者、自由貿易を謳い世界の経済発展を推進しようとする者が学ぶべき精神ではないでしょうか。
今年は大阪・関西万博が行われます。各国から最先端の技術が集まります。自国の展示内容を誇らしく思うと同時に、他国の展示内容にも賞賛をいただければ幸いです。文化と同じく科学技術やデザインも人類の共通遺産なのです。
石破茂総理と習近平主席も首脳会談の中で、交流の重要性を再確認されています。日本の伝統楽器や音楽も中国から伝わった後、千数百年かけて独自の発展を遂げました。今、一人の芸術家が日本の楽器と中国のメロディーの融合を模索中です。この後、是非、その成果を味わってみてください。中国の仏前に花を生ける文化も日本で数百年かけて華道の各流派に発展しました。後ほど、会場内の作品をご鑑賞いただければ幸いです。
私達の目指すべき国際交流の姿を思索するきっかけとして、本日のレセプションを楽しんでいただければ、私の喜びです。同時に、常日頃から各分野の交流の推進にご尽力いただいている友人の皆様、そして、とりわけ美食と美食によるもてなしの心意気を私達に経験させてくださった広東、福建、海南、広西チワン族自治区の友人の皆様への感謝の表明とお受け取りください。ありがとうございました。




【御協力いただいた日系企業等】(順不同)
アサヒビール株式会社、株式会社ケイブライト、キッコーマン(上海)貿易有限公司、キヤノン(中国)有限公司広州分公司、麒麟(中国)投資有限公司、広州広熱商貿有限公司、広州スイスホテル、広州ヤクルト株式会社、三得利(中国)投資有限公司、全日本空輸株式会社、大成産業株式会社、宝酒造食品有限公司広州分公司、東風汽車有限公司東風日産乗用車公司、日本航空広州支店、三菱商事(広州)有限公司、ライフパートナー、深圳市和煜貿易有限公司
【御協力いただいた地方自治体】(順不同)
大分県上海事務所、大阪市、大阪府上海事務所、北九州市、栃木県香港事務所、長崎県上海事務所、日本公益財団法人愛知産業振興機構上海代表処、日本公益財団法人福島県産業振興センター上海代表処、日本公益財団法人横浜企業経営支援財団上海代表処、兵庫県香港経済交流事務所、福井県、福岡市、宮城県大連事務所、宮崎県香港事務所
【御協力いただいたその他団体】(順不同)
独立行政法人日本貿易振興機構広州事務所、日本政府観光局(JNTO)広州事務所、池坊広州支部、小原流花道深圳支部、広州草花薈、津軽三味線広原流奏者:武仁(TAKEHITO)