令和5年度天皇誕生日祝賀レセプションの開催
令和6年3月6日
3月6日、当館は、花園酒店国際会議場において、令和5年度天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。
今次レセプションでは、肖亜非・広東省人代常務委副主任、于欣偉・広州市政協副主席ほかをお迎えし、また、広東省、福建省、海南省、広西チワン族自治区の政府、企業、文化・教育界の皆様、在留邦人代表、領事団より700名を超える賓客に御出席いただきました。
貴島総領事は挨拶の中で、能登半島地震で採用された「対口支援(カウンターパート支援)」に触れつつ、成熟した二国間交流のあり方等について述べました。また、昨年11月の日中首脳会談において両首脳が国民交流を一層拡大することで一致したことについて提起しつつ、華南の地でも具体的な行動を積み重ねていきたい旨述べました。
会場では、広汽本田汽車有限公司、五羊-本田摩托(広州)有限公司の御協力により四輪車「e:NP2」、二輪車「NEW U-GO」をディスプレーしました。また、多くの日系企業、地方自治体事務所、剣道・空手団体等よりブース出展やステージイベントにつき御協力を賜り、高品質な日本製品、日本食品、サービス、多様な地方の魅力、日本の伝統文化等を賓客にアピールしました。
なお、貴島総領事による挨拶全文は以下のとおりです。
ご来場の皆様
本日は天皇陛下誕生祝賀レセプションにご参加頂きありがとうございます。
まずは、天皇陛下の誕生日をお祝いしたいと思います。
さて、2024年が始まりましたが、目下私達をとりまくのは、災害、戦争、経済の停滞といった厳しい現実が立ちはだかっている世界です。本年1月1日、日本では能登半島地震がございました。世界各地に、住む場所をなくし、けがをしても医療の手当を受けられず、必要な栄養をとることもできず、亡くなっていかれる方、困窮されている方がおられます。亡くなられた方々に哀悼の意を表し、ご遺族と被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
人はたびたび天災や戦争にうちひしがれ、苦しめられてきましたが、同時に、人は他人の悲しみに心を寄せ、助け合い、復興のために立ち上がり、協力してきたことも歴史が物語っています。能登半島大震災に対しても中国を含む世界各国の皆様からお見舞いのメッセージやご支援のお申し出を頂戴いたしました。心より感謝申し上げます。
ところで、今回の日本の大地震においては、緊急支援・復興支援の体制として「対口支援(カウンターパート支援)」という手法が採用されました。大規模災害で被災した自治体一つ一つに、パートナーとして特定の自治体を割り当てて復興の支援をするものです。実は、2008年の四川省大地震の際に中国政府によって採用されました。日中間の災害救援協力と言えば、改革開放と同時に開始された対中ODAを通じて、災害救援の技術支援が始まり、四川省大地震の際には日本の緊急支援隊と中国の緊急支援隊の協力が展開され、2011年の東日本大震災には中国の緊急支援隊が真っ先に駆けつけいただいたエピソードが有名です。ですが、今回、四川省大地震の際には復興の段階で展開された「対口支援」ノウハウを、救援の段階から展開する形で日本も導入させていただきました。成熟した二国間交流とは、どちらかが一方的に教えたり学んだりするものではなく、互いに学び合い高め合う関係であることを実感させられました。
人は協力もしますが、競争もします。競争があるが故に技術を向上させ成長するのですが、競争真っ只中にいる者としては、勝負に一喜一憂させられる厳しい日々とも言えます。国も競争や栄枯盛衰と無縁ではいられません。しかし、競争をライバルとの敵対関係に変えてしまうか、切磋琢磨する国際社会の発展の糧とするかは、人の叡智と謙虚さや尊厳という価値観の共有にかかっているのではないでしょうか。
本日のレセプションでは、剣道と空手という日本の武道を学ぶ日中の子供達の演舞を披露させていただきます。もともと侍の戦いのための武術は、平和が生まれた後、儒教や禅を取り入れながら、武道となりました。礼に始まり、純粋な心で全力で試合に臨み、勝っても負けても対戦相手への敬意をこめて、礼に終わる、その武道の精神が、国境を越えて子供達の間に、勝ち負けだけでない多くの価値の学びをもたらしてくれていることをご覧いただければ幸いです。
また、2020年東京オリンピックが2021年に延期開催されてはや3年がたち、今年再びオリンピックイヤーとなりました。前回、文化とスポーツの祭典は、疫病という大きな挑戦の中でも世界中の人々に希望を与えてくれました。今年は、隔離もなくバブルもなく、集い、抱き合い、大声で応援できるオリンピックです。改めて人が競争と交流を楽しみながら、相手に敬意を払い、協力を生み出すことができることを確認し、その力をもって、災害を克服し、戦争を終結に持って行けるような気持ちを生み出せることを祈りたいと思います。
昨年、岸田総理大臣と習近平国家主席は11月に日中首脳会談を実施し、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という大きな方向性を確認し、様々な分野において、国民交流を一層拡大していくことで一致しました。言うは易く、行うは難し、ですが、一歩でも二歩でも具体的な行動を積み重ねていきたいと思います。本日のレセプションも、その一つです。昨年をはるかに超える多くの方々にお集まりいただきました。多数の日系企業も、この華南の地で日中の経済、ビジネス、人文交流を促進しようと、ブースを設置して盛り上げてくださっています。全ての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。ご出席の皆様にとっていただくべき行動は一つだけ。大いに楽しんでいただくこと、です。
最後に、本年は辰年。「龍行龘龘」すなわち、龍が天空を駆け巡るがごとく、皆様方と力をあわせて奮闘し、飛躍の年をつくりあげていけますようお祈りし、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
【御協力いただいた日系企業等】(順不同)
アサヒビール(中国)投資有限公司広州分公司、伊藤食品商貿(上海)有限公司広州分公司、五羊-本田摩托(広州)有限公司、株式会社ケイブライト、キッコーマン株式会社、キヤノン(中国)有限公司広州分公司、麒麟(中国)投資有限公司、広汽本田汽車有限公司、杭州丘比食品有限公司広州分公司、広州広熱商貿有限公司、広州ヤクルト株式会社、サントリー(中国)投資有限公司、上海ユーザベース、珠海市西尾貿易有限公司、深セン市優西優西商貿有限公司、全日本空輸株式会社、大成産業株式会社、宝酒造食品有限公司広州分公司、中田食品株式会社、中山迅宝興業機械有限公司、日本航空広州支店、橋本精密五金模具(深セン)有限公司、ホテル・ニッコー広州(株式会社フンドーダイ)
【御協力いただいた地方自治体】(順不同)
石川県上海事務所、静岡県上海事務所、栃木県香港事務所、長崎県上海事務所、日本公益財団法人横浜企業経営支援財団上海代表処、福岡県香港事務所、福岡市、福島県上海事務所、兵庫県香港経済交流事務所・神戸市天津事務所、宮崎県香港事務所、山梨県
【御協力いただいたその他団体】(順不同)
i.k.o.国際空手道連盟極真空手広州同好会、広州純剣館、深セン市剣道協会、日本貿易振興機構(JETRO)広州事務所、日本政府観光局(JNTO)広州事務所
今次レセプションでは、肖亜非・広東省人代常務委副主任、于欣偉・広州市政協副主席ほかをお迎えし、また、広東省、福建省、海南省、広西チワン族自治区の政府、企業、文化・教育界の皆様、在留邦人代表、領事団より700名を超える賓客に御出席いただきました。
会場では、広汽本田汽車有限公司、五羊-本田摩托(広州)有限公司の御協力により四輪車「e:NP2」、二輪車「NEW U-GO」をディスプレーしました。また、多くの日系企業、地方自治体事務所、剣道・空手団体等よりブース出展やステージイベントにつき御協力を賜り、高品質な日本製品、日本食品、サービス、多様な地方の魅力、日本の伝統文化等を賓客にアピールしました。
ご来場の皆様
本日は天皇陛下誕生祝賀レセプションにご参加頂きありがとうございます。
まずは、天皇陛下の誕生日をお祝いしたいと思います。
さて、2024年が始まりましたが、目下私達をとりまくのは、災害、戦争、経済の停滞といった厳しい現実が立ちはだかっている世界です。本年1月1日、日本では能登半島地震がございました。世界各地に、住む場所をなくし、けがをしても医療の手当を受けられず、必要な栄養をとることもできず、亡くなっていかれる方、困窮されている方がおられます。亡くなられた方々に哀悼の意を表し、ご遺族と被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
人はたびたび天災や戦争にうちひしがれ、苦しめられてきましたが、同時に、人は他人の悲しみに心を寄せ、助け合い、復興のために立ち上がり、協力してきたことも歴史が物語っています。能登半島大震災に対しても中国を含む世界各国の皆様からお見舞いのメッセージやご支援のお申し出を頂戴いたしました。心より感謝申し上げます。
ところで、今回の日本の大地震においては、緊急支援・復興支援の体制として「対口支援(カウンターパート支援)」という手法が採用されました。大規模災害で被災した自治体一つ一つに、パートナーとして特定の自治体を割り当てて復興の支援をするものです。実は、2008年の四川省大地震の際に中国政府によって採用されました。日中間の災害救援協力と言えば、改革開放と同時に開始された対中ODAを通じて、災害救援の技術支援が始まり、四川省大地震の際には日本の緊急支援隊と中国の緊急支援隊の協力が展開され、2011年の東日本大震災には中国の緊急支援隊が真っ先に駆けつけいただいたエピソードが有名です。ですが、今回、四川省大地震の際には復興の段階で展開された「対口支援」ノウハウを、救援の段階から展開する形で日本も導入させていただきました。成熟した二国間交流とは、どちらかが一方的に教えたり学んだりするものではなく、互いに学び合い高め合う関係であることを実感させられました。
人は協力もしますが、競争もします。競争があるが故に技術を向上させ成長するのですが、競争真っ只中にいる者としては、勝負に一喜一憂させられる厳しい日々とも言えます。国も競争や栄枯盛衰と無縁ではいられません。しかし、競争をライバルとの敵対関係に変えてしまうか、切磋琢磨する国際社会の発展の糧とするかは、人の叡智と謙虚さや尊厳という価値観の共有にかかっているのではないでしょうか。
本日のレセプションでは、剣道と空手という日本の武道を学ぶ日中の子供達の演舞を披露させていただきます。もともと侍の戦いのための武術は、平和が生まれた後、儒教や禅を取り入れながら、武道となりました。礼に始まり、純粋な心で全力で試合に臨み、勝っても負けても対戦相手への敬意をこめて、礼に終わる、その武道の精神が、国境を越えて子供達の間に、勝ち負けだけでない多くの価値の学びをもたらしてくれていることをご覧いただければ幸いです。
また、2020年東京オリンピックが2021年に延期開催されてはや3年がたち、今年再びオリンピックイヤーとなりました。前回、文化とスポーツの祭典は、疫病という大きな挑戦の中でも世界中の人々に希望を与えてくれました。今年は、隔離もなくバブルもなく、集い、抱き合い、大声で応援できるオリンピックです。改めて人が競争と交流を楽しみながら、相手に敬意を払い、協力を生み出すことができることを確認し、その力をもって、災害を克服し、戦争を終結に持って行けるような気持ちを生み出せることを祈りたいと思います。
昨年、岸田総理大臣と習近平国家主席は11月に日中首脳会談を実施し、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という大きな方向性を確認し、様々な分野において、国民交流を一層拡大していくことで一致しました。言うは易く、行うは難し、ですが、一歩でも二歩でも具体的な行動を積み重ねていきたいと思います。本日のレセプションも、その一つです。昨年をはるかに超える多くの方々にお集まりいただきました。多数の日系企業も、この華南の地で日中の経済、ビジネス、人文交流を促進しようと、ブースを設置して盛り上げてくださっています。全ての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。ご出席の皆様にとっていただくべき行動は一つだけ。大いに楽しんでいただくこと、です。
最後に、本年は辰年。「龍行龘龘」すなわち、龍が天空を駆け巡るがごとく、皆様方と力をあわせて奮闘し、飛躍の年をつくりあげていけますようお祈りし、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
アサヒビール(中国)投資有限公司広州分公司、伊藤食品商貿(上海)有限公司広州分公司、五羊-本田摩托(広州)有限公司、株式会社ケイブライト、キッコーマン株式会社、キヤノン(中国)有限公司広州分公司、麒麟(中国)投資有限公司、広汽本田汽車有限公司、杭州丘比食品有限公司広州分公司、広州広熱商貿有限公司、広州ヤクルト株式会社、サントリー(中国)投資有限公司、上海ユーザベース、珠海市西尾貿易有限公司、深セン市優西優西商貿有限公司、全日本空輸株式会社、大成産業株式会社、宝酒造食品有限公司広州分公司、中田食品株式会社、中山迅宝興業機械有限公司、日本航空広州支店、橋本精密五金模具(深セン)有限公司、ホテル・ニッコー広州(株式会社フンドーダイ)
【御協力いただいた地方自治体】(順不同)
石川県上海事務所、静岡県上海事務所、栃木県香港事務所、長崎県上海事務所、日本公益財団法人横浜企業経営支援財団上海代表処、福岡県香港事務所、福岡市、福島県上海事務所、兵庫県香港経済交流事務所・神戸市天津事務所、宮崎県香港事務所、山梨県
【御協力いただいたその他団体】(順不同)
i.k.o.国際空手道連盟極真空手広州同好会、広州純剣館、深セン市剣道協会、日本貿易振興機構(JETRO)広州事務所、日本政府観光局(JNTO)広州事務所