2020年「第23回日中青少年書画芸術大会」の開催に際しまして、在広州日本国総領事館を代表致しまして心よりお喜びを申し上げます。この活動を通じて、日本の青少年と広東省をはじめとする中国各地の青少年が今年も活発な交流を続けていることをとても嬉しく思います。
さて、書道は、日中の文化交流の歴史の中でも、多くの美しい物語を紡ぎ出しています。遣唐使時代の空海は、五筆和尚として中国の歴史にも誉れを残し、近代においても、駐日外交官であった楊守敬や黄遵憲は日本の書道家と交流を行い、近代の日本の書道にきわめて大きな影響を残しました。唐の書家、孫過庭は、『書譜』の中で「東晋の士人は互相に陶淬す。」と述べています。王羲之などを生んだ書道の最盛期は、やはり交流の中から生まれたのです。
私は、心と心の交流があれば、日中の協力には巨大な可能性があると信じています。日本と中国はこのコロナ後の時代にあらたな文化交流の在り方を模索していると思いますが、今回のオンラインでの表彰式は非常に画期的な活動であると感じています。
今回の書道交流の活動を通じて、ますます多くの日本と中国の青少年が相互理解を一層深め、両国の文化を知り心が通じあうようになることを切に願っております。