5月15日(火)頃から,イスラム圏ではラマダン期間に入ります。近年,ラマダン期間中にテロ事件が多数発生しているため,「たびレジ」等を活用して情報収集に当たり,テロの標的とならないよう,安全確保に努めてください。
【本文】
1 5月15日(火)頃から6月14日(木)頃(※)は,イスラム教徒が日の出から日没まで断食を行うラマダン月に当たります。ラマダン終了後には約3日間(6月15日(金)頃から6月17日(日)頃),イードと呼ばれるラマダン明けの祭りが行われます。
※ラマダン月の期間は目視による月齢観測に依拠するため,上記日程は直前に変更されることがあります。
2 近年,ラマダン月及びその前後の期間に世界中で多数のテロ事件が発生しています。特に,イスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等は,過去ラマダン月の期間にテロを呼びかける声明を発出しています。
また,最近は,爆弾や銃撃に加えて,車両やナイフなど身近な物を使用して不特定多数を殺傷するテロが呼びかけられています。
(参考)過去2年のラマダン月に発生した主なテロ事件
2017年(ラマダン月:5月27日~6月24日)
・英国:マンチェスター・アリーナにおける自爆テロ事件(5月22日)
・インドネシア:ジャカルタにおける自爆テロ事件(5月24日)
・アフガニスタン:カブール中心部での自爆テロ事件(5月31日)
・フィリピン:マニラのリゾートホテルにおける銃撃事件(6月2日)
・英国:ロンドンでの車両突入襲撃テロ事件(6月3日)
・オーストラリア:メルボルン立て籠もり事件(6月5日)
・フランス:ノートルダム大聖堂前における警察官襲撃テロ事件(6月6日)
・イラン:テヘランにおける襲撃テロ事件(6月7日)
・マリ:バマコ郊外リゾート施設における襲撃テロ事件(6月18日)
・フランス:シャンゼリゼ通りにおける憲兵隊に対する車両突入事件(6月20日)
・ベルギー:ブリュッセルの駅構内での爆発事件(6月20日)
・米国:ミシガン州フリント市内国際空港での襲撃テロ事件(6月21日)
・インドネシア:スマトラ島警察官襲撃テロ事件(6月25日)
2016年(ラマダン月:6月6日~7月5日)
・ヨルダン:バカア難民キャンプ襲撃テロ事件(6月6日)
・米国:フロリダ州オーランド市内ナイトクラブ銃乱射事件(6月12日)
・フランス:パリ郊外における警察官刺殺事件(6月13日)
・ヨルダン:ルクバーン難民キャンプ爆弾テロ事件(6月21日)
・レバノン:バールベック・ヘルメル県における自爆テロ事件(6月27日)
・トルコ:イスタンブール・アタテュルク国際空港襲撃テロ事件(6月28日)
・マレーシア:クアラルンプール郊外プチョン地区ショッピングモール内オープンカフェ爆発事件(6月28日)
・バングラディシュ:ダッカ市内レストラン襲撃テロ事件(7月1日)
・イラク:バグダッドにおける自動車爆弾テロ(7月3日)
・サウジアラビア:ジッダ,カティーフ,メディナにおける自爆テロ事件(7月4日)
・フランス:ニースにおけるトラック突入テロ事件(7月14日)
・ドイツ:ヴァルツブルグ近郊列車における襲撃テロ事件(7月18日)
・ドイツ:アンスバッハの野外音楽祭での爆弾テロ事件(7月24日)
3 本広域情報発出時点で同様の声明は確認されていません。しかし,近年,ラマダン月及びその前後の期間に多くのテロが発生していることを認識し,以下の対策をとってください。
(1)最新の関連情報の入手に努める。
(2)特に,金曜日に注意する。金曜日はイスラム教徒の集団礼拝日であり,その際,モスク等宗教施設や群衆を狙ったテロや襲撃が行われることがある。本年のラマダン月については,5月18日,25日,6月1日及び8日が金曜日に当たる。
(3)以下の場所がテロの標的となりやすいことを十分認識する。
観光施設,観光地周辺の道路,記念日・祝祭日等のイベント会場,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット,ナイトクラブ,映画館等人が多く集まる施設,教会・モスク等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等。
(4)上記(3)の場所を訪れる際には,予め非常口等の避難経路を確認しておき,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる,できるだけ滞在時間を短くする等の注意に加え,その場の状況に応じた安全確保に十分注意を払う。
(5)現地当局の指示があればそれに従う。特にテロに遭遇してしまった場合には,警察官等の指示をよく聞き冷静に行動するように努める。
【車両突入の場合】
●ガードレールや街灯などの遮へい物がない歩道などでは危険が増す。
●歩道を歩く際はできるだけ建物側を歩く。
【コンサート会場,スポーツの競技場等の閉鎖空間】
●会場には時間より早めに入る,終了後はある程度時間を置いてから退出するなど,人混みを避けるよう努める。
●セキュリティの確保されていない会場の外側や出入口付近は危険であり,こうした場所での人だまりや行列は避けるようにする。
●不測の事態の発生を念頭に,会場の出入口や非常口,避難の際の経路等についてあらかじめ入念に確認する。
●周囲がパニック状態になっても冷静さを保つように努める。
【爆弾,銃器を用いたテロに遭遇した場合】
●爆発,銃撃の音を聞いたらその場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとる。
●頑丈なものの陰に隠れる。
●周囲を確認し,可能であれば,銃撃音等から離れるよう,速やかに,低い姿勢を保ちつつ安全なところに退避する。閉鎖空間の場合,出入口に殺到すると将棋倒しなどの二次的な被害に遭うこともあり,注意が必要。
4 海外渡航前には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
さらに,渡航・滞在先の国・地域において緊急事態が発生した場合,メールアドレス等を登録されている場合には,外務省から随時一斉メール等により最新の情勢と注意事項をお伝えしています。
3か月以上滞在する方は,必ず在留届を提出してください。
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html)
3か月未満の旅行や出張などの際には,「たびレジ」に登録してください。
(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/#)
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2306
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html(スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html(モバイル版)
※在留届を提出し,当館の管轄外に住所を移した方は,ryouji2@ko.mofa.go.jpまで,氏名,旅券番号,おおよその異動日をご記入の上,ご連絡をお願いします。
※たびレジに登録されている方でメールが不要な方は,ご自身での登録の変更をお願いいたします。https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/
○在広州日本国総領事館○
(市外局番020)-8334-3009(代表)
(市外局番020)-8501-5005(代表)
ホームページ:http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/
(了)
ラマダン月のテロについての注意喚起
平成30年5月16日 掲載