海外安全対策情報(定期報告:4月~6月)

1 治安情勢及び一般犯罪の傾向


(1)一般犯罪の発生状況
 ア 今期,当館管内における邦人が関係する一般犯罪被害の認知件数は12件12名で,前期(2016年1月~3月)より4件4名の増加となっています(前年同期比1件1名増)。
 イ 今期の犯罪被害の内訳は詐欺1件、置き引き4件、車上荒らし1件、脅迫2件、軟禁1件、暴行・傷害3件です。
 ウ 地域別の犯罪被害件数は,広東省11件、福建省1件です。
 エ なお,犯罪被害には計上していない遺失案件(20件20名)にも,遺失か盗難被害かの判断ができないケースが含まれています。

(2)一般犯罪の主な事例
 ア 詐欺
 広東省(珠海市1件)で発生。
   事例:香港の不動産屋を通じ,珠海の不動産を購入しようと仮契約を行い頭金数百万円を振り込んだところ、契約を無かったことにされ,数百万円も返金されなかった。
 イ 置き引き
 広東省(広州市2件、深セン市2件)で発生。
   事例:広州東駅にて,スーツケースの上にパスポートを置いていたところ置き引きに遭った。   
   事例:広州市のレストランで食事をしていたところ,椅子にかけていたバッグがなくなっていた。
   事例:深セン市羅湖区内のベンチにポーチを体の側に置いた状態で座っていたところ,気づいたらポーチがなくなっていた。
   事例:深セン市羅湖区人民南路にて,足下に置いていた鞄を盗まれた。
 ウ 車上荒らし
 広東省(東莞市1件)で発生。
   事例:車に鍵をかけトイレに行っている隙に車をピッキングされ鞄、パスポート、パソコンを盗まれた。
 エ 軟禁
 広東省(広州市1件)、福建省(福州市1件)で発生。
   事例:商売トラブルから相手方に軟禁された。
 オ 暴行・傷害
 広東省(広州市1件、深セン市1件)、福建省(福州市1件)で発生。
   事例:広州市内の電子機器店に修理に出していた電子機器を受け取りにいったところ偽物を渡されたため警察を呼んだ。自身の携帯電話で店の営業許可証を撮影しようとしていたところ,暴行を振るわれた。

2 殺人・強盗等凶悪犯罪による邦人被害の事例


(1) 強盗傷害・強盗
 邦人被害にかかる事件は認知していません。
(2) 殺人
 邦人被害にかかる事件は認知していません。
(3) 強姦
 邦人被害にかかる事件は認知していません。
(4) 傷害致死
 邦人被害にかかる事件は認知していません。

3 誘拐・脅迫事件発生状況


   広東省(広州市2件)で発生。
   事例:交際中の中国人女性と別れる際,手切れ金を払わないと自宅や会社を訪れると脅迫を受けた。
   

4 テロ・爆弾事件発生状況


   管内における当該事件の発生は認知していません。

5 対日感情


   尖閣諸島関連抗議活動等は2012年9月18日を最後に発生していませんが,潜在的に反日感情を有する者も存在するので注意する必要があります。

6 日本企業の安全に関わる諸問題


   当地日系企業において,一昨年継続発生していた中国人労働者による賃上げ目的の労働争議は今期も散発的に発生しました。また,従業員の解雇等を理由として邦人が軟禁される事件が発生しています。

7 日本人安全対策のためにとった具体的措置


 (1)注意喚起及び情報発信
   下記情報を当館ホームページに掲載するとともに,当館メールマガジン登録者や当館安全対策連絡協議会会員等にメール送信して注意喚起等をしました。

   ア 犯罪被害に遭われた方への情報提供(4月11日)
   イ 当館の海外安全対策情報(4月14日)
   ウ 手足口病に係る注意喚起(4月20日) 
   エ 伊勢志摩サミットに向けた注意喚起(5月16日)
   オ 台風シーズンに際しての注意喚起(5月17日)
   カ イスラム過激派組織によるラマダン期間中のテロを呼びかける声明発出に伴う注意喚起(5月31日)
   キ 梅州市での鳥インフルエンザ患者の発生(6月21日)
   ク 中国南方部を中心とする豪雨被害に係る注意喚起(6月22日)