1.9月中旬より、中国国内メディア等が福州市を中心に福建省内でコレラが多発している旨報じていますので、その内容を以下のとおりお知らせ致します。
(1)福建省衛生庁によれば、8月12日に福州市において最初のコレラ症例が確認されて以降、9月12日までに全省で累計172件のコレラ症例が報告された。その内137件が福州市内で確認されており、その他一部の都市においても散発的に症例が発生している。現在、83件が治癒により退院しており、入院治療中の患者も病状は安定している。これまでに死亡例、二次感染は発生していない。
(2)同省衛生部門の調査によると、感染者の大半は路上の小規模な飲食店で海鮮料理を食べており、生のエビ、カニ類が主要な感染源と見られている。同省政府は疫病監視体制及び応急手当措置を全面的に強化したほか、市場で販売される魚介類への監視強化、無許可営業飲食店への閉鎖命令等の措置を講じ、感染拡大の防止に努めている。
2.コレラについて
(1)コレラは代表的な経口感染症の一つで、コレラ菌に汚染された水、氷、食品等を摂取することにより感染します。
(2)通常1〜3日の潜伏期間の後、下痢を主症状として発症します。嘔吐を伴うこともありますが、腹痛や発熱を伴うことは殆どありません。重症の場合には、腹部の不快感と不安感に続いて突然下痢と嘔吐が始まり、ショックに陥ります。病原性は弱く、死亡率も2%程度と言われていますが、感染力が強いため注意が必要です。
3.予防策
現在までのところ、在留邦人の方がコレラに感染されたとの情報には接していませんが、感染予防策として以下の諸点に留意して下さい。
(1)手洗い、うがいなど通常の感染症予防対策を励行すること。
(2)コレラが流行している地域では、生水、氷、生の魚介類(エビ、カニ、刺身等)の摂取を避けること。
(3)体調管理に十分留意すること(健康であれば基礎的な抵抗力により、少々病原体が体内に侵入しても発病することは少ないため)。 |