広東省人民政府による感染症発生状況等の説明
2005年10月11日
在広州総領事館
10月10日、広東省人民政府の外事弁公室、衛生庁、農業庁は、当館を含む在広州外国領事団の求めに応じ、本年の広東省の感染症発生状況等について、以下1.及び2.のとおり説明しましたので、お知らせいたします。
なお、コレラの症状・予防策については、以下3.のとおりです(9月21日付け当館ホームページ「福建省におけるコレラの発生及び予防策等」と同一内容)。
1.本年1月から9月までの広東省におけるコレラ、インフルエンザ、SARS等の発生状況
(1)コレラ
コレラ感染者は65人、全員治癒し退院、二次感染及び死亡者はいない。広州、中山、仏山、江門、汕頭、茂名、湛江の7地域で発生。主に火を良く通していない魚介類の摂食により感染。
(2)インフルエンザ
集団感染(10人以上)が159例、2907人、集団以外のインフルエンザ患者が12万3000余人、前年比35%減。広州、深セン、韶関、湛江の4地域で発生。主に小中学校で発生。
(3)鳥インフルエンザ、SARS、その他原因不明の感染症は未発生。
2.衛生庁及び農業庁による感染症予防・コントロール措置
(1)衛生庁
コレラ、インフルエンザ、鳥インフルエンザ、SARSが発生しても、以下の措置により、感染拡大を効果的に最小限にコントロール可能。
(イ)コレラ
早期のコレラ発見、患者の隔離、発生地の消毒。安全な水道水の供給。レストラン、公衆トイレ等の衛生監理。発生地における予防薬の配布。衛生意識向上のための宣伝。
(ロ)インフルエンザ、鳥インフルエンザ
インフルエンザの流行分析。インフルエンザワクチン接種の慫慂。医療人員の研修強化。香港、マカオとの予防対策強化。インフルエンザ流行に備えた緊急対策措置。
(ハ)SARS
2003年のSARS発生後、各地疾病予防センターによるモニタリング、医療人員の研修、病院監理を強化。
(2)農業庁
家禽農家へのワクチン接種の慫慂。家禽飼育場、家禽肉加工工場、卸売市場への定期消毒の強化。衛生基準を満たさない飼育場の整理統合。農業庁と学界(華南農業大学)とのワクチン共同研究。
3.コレラの病状・予防策
(1)コレラは代表的な経口感染症の一つで、コレラ菌に汚染された水、氷、食品等を摂取することにより感染します。
(2)通常1〜3日の潜伏期間の後、下痢を主症状として発症します。嘔吐を伴うこともありますが、腹痛や発熱を伴うことは殆どありません。重症の場合には、腹部の不快感と不安感に続いて突然下痢と嘔吐が始まり、ショックに陥ります。病原性は弱く、死亡率も2%程度と言われていますが、感染力が強いため注意が必要です。
(3)現在までのところ、在留邦人の方がコレラに感染されたとの情報には接していませんが、感染予防策として以下の諸点に留意して下さい。
(イ)手洗い、うがいなど通常の感染症予防対策を励行すること。
(ロ)コレラが流行している地域では、生水、氷、生の魚介類(エビ、カニ、刺身等)の摂取を避けること。
(ハ)体調管理に十分留意すること(健康であれば基礎的な抵抗力により、少々病原体が体内に侵入しても発病することは少ないため)。
(了)
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