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2010年4月8日
在広州日本国総領事館
手足口病は例年夏期に4歳位までの乳幼児に流行するありふれた病気ですが、まれに重症化して死亡する場合もあり注意が必要です。今回、当館管内では、海南省で2月末までに1,618人が感染、44名が重症、1名が死亡、東莞市で1月~3月までに5,000名余りが感染、4名が死亡、広東省全体では1月~3月までに22,764名が感染、83名が重症だったとのことです。東莞市疾病予防控制中心によると、東莞市では例年の同時期に比べて約9倍もの感染者がみられるうえ、死亡した4名は何れもエンテロウイルス71型に感染していたとのことです。広州市疾病予防控制中心によると、広州では軽症型が主とのことですが、これから本格的な流行時期に向けて注意が必要と思われます。
1.手足口病(てあしくちびょう、Hand, Foot, and Mouth disease [HFMD])とは
(1)名前の通り、口の中や手、足などに、水ぶくれのような発疹と熱が出る病気です。英語では口蹄疫 (Foot-and-mouth disease) と似ていますが、全く別の病気です。
(2)潜伏期間は3~5日で、38℃前後の発熱(30~50%)、食欲不振、元気が無い等の症状で発症し、熱が出てから1~2日後に発疹が出てきます。口の中の発疹のために、痛くて物が食べられない場合もあります。発疹は口周辺だけで、手足には出ない場合もあります。殆どの場合、特に治療を受けなくとも、7~10日で良くなります。
(3)原因は「エンテロウイルス」と言うグループのウイルスです。その中ではコクサッキーA16型(CA16)、コクサッキーA10型(CA10)、エンテロウイルス71型(EV71)等によるものが多いと言われています。ウイルスが違っても症状は同じなので、詳しい検査をしないと、どのウイルスによる手足口病かは分かりません。
(4)これらのウイルスは、感染した人の鼻水、痰、唾液、吐物、糞便などに含まれます。一番多い感染経路は、これらに触れた後、良く手を洗わないことが原因です。ウイルスは病気になって最初の一週間に最も多く出ますが、病気が治っても数週間はウイルスが出続けます。
(5)現在、手足口病に有効な治療法もワクチンもありません。症状を緩和する治療(脱水の治療や発疹の痛みを取る治療など)が中心です。
(6)合併症には、下痢、急性心筋炎、急性脳炎などがあります。
(7)登校、登園の制限はありませんので、体調が良くなれば出席可能です。(インフルエンザのように学級閉鎖等、登校、登園の停止をしても、効果的に流行を抑えることが出来ないためです。)
(8)予防としては、おむつなど、排泄物に対する注意と石鹸による手洗いの励行といった衛生面での管理が重要です。
(9)中国での手足口病は、全国で2008年に488,955名発症、126死亡、2009年に1,155,525名発症、353名死亡、広東省では、2008年48,876名発症、21名死亡、2009年93,078名発症、22名死亡となっています。
2.死亡例について
エンテロウイルス71型は1997年頃からアジア、オーストラリアで流行が見られるようになり、経過中の脳炎、髄膜炎の発症率が高いと言われています。他にコクサッキーA16型でも急性心筋炎の報告があります。
手足口病の流行中に急死した小児例は、殆どがエンテロウイルス71型で、1975年ブルガリアで死亡の報告、1978年ハンガリーで死亡の報告、1997年マレーシアで34名が死亡、同年日本でも3名が死亡、1998年台湾で78名が死亡、2008年中国阜陽省、安徽省で24名が死亡など、重症合併症、急死の例はまれですが、発熱が2日以上続く、頭痛や嘔吐する、呼吸が苦しそうであるなど見られた場合は、病院を受診することが大切です。
3.手足口病の詳しい情報については、下記サイトでも紹介されていますので一度ご覧下さい。
「国立感染症研究所感染症情報センターホームページ(手足口病)」 http://idsc.nih.go.jp/disease/hfmd/
(了)
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