在広州総領事館、広州日本商工会及びジェトロ広州事務所と広東省国家税務局との意見交換
2007年2月2日
在広州日本国総領事館
1月30日、昨年12月14日の広東省進出日系企業と広東省政府関係部門との意見交換会のフォローアップの一環として、在広州総領事館、広州日本商工会及びジェトロ広州事務所と広東省国家税務局との間で税務問題につき意見交換を行いましたところ、各要望事項についての広東省国家税務局の回答振りをお知らせいたします
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1.出席者
(1)日本側
・当館 総領事 吉田雅治 他1名
・広州日本商工会会計部長、ジェトロ広州事務所海外投資アドバイザー他1名
(2)広東省国家税務局 外資担当副局長、国際税務管理処長、輸出入税収管理処長他2名
2.総論
(1)日本側より、広東省進出日系企業は省内各地の日本商工会の会員企業だけでも約1,500社に上り、日本と広東省との経済貿易関係を担っている。日系企業にとって税務問題は最も重要な問題の一つであるため、広東省国家税務局におかれては、公平、公正、透明、統一的でわかりやすい税務とともに、日本側との相互理解、意見交換に協力していただきたいと要望した。
(2)これに対し、広東省国家税務局より、日本側の要望は承知した、今後とも協力していきたいとの回答があった。
3.各税務事項
(1)加工貿易禁止品目及び増値税還付率調整
(イ)要望(以下すべて日本側の要望)
①加工貿易禁止品目を公布する際及び増値税還付率を減少・廃止する際には段階的移行・緩和措置を設定していただきたい。日系企業は長期的計画を立てて対中投資を行っているため、両事項の突然の変更は、企業の経営環境を大きく左右する大問題である。企業のコストとなる増値税不還付額は輸出売上を基準に算定され、多くの企業の売上に対する利益率が数%であるため、還付率が数%減少するだけで利益がなくなってしまうという大問題である。よって、すでに認可されている経営期間には適用しないとか、仮に適用する場合でも段階的移行・緩和措置(数年単位の措置)を設定する等の配慮を検討していただきたい。
②今回増値税還付率が廃止された鉛蓄電池製品の中には、自動車部品として使用されるハイテク製品である密閉型鉛酸蓄電池があり、同型は中国においても、「外商投資産業指導目録」及び「産業構造調整指導目録」においてハイテク製品として奨励分類されている。日本側としても、中国政府が汚染性、資源消耗性の高い商品の加工貿易を抑制していくという方針を有していることは理解している。密閉型鉛酸蓄電池を生産している日系企業は生産工場においても環境保全に十分取り組んでいる由であり、このことも配慮していただきたい。他の日系企業も、増値税還付率が減少・廃止となる対象品目が今後突然拡大するのではないかという不安感を抱いている。
(ロ)回答(以下すべて広東省国家税務局の回答)
中国政府としては、汚染性、資源消耗性の高い商品の加工貿易は抑制していくという方針を有しているが、昨年9月14日公布の139号通達(増値税還付率の調整)後、11月1日公布の82号通達(加工貿易禁止類商品目の明確化)により、多くの外資企業にとって問題は解決したと認識していた。ご指摘のあった個別の問題については、上級政府に報告・反映することとしたい。
(2)恒久的施設(PE)の解釈
(イ)要望
恒久的施設(PE)の解釈が国家税務局と地方税務局とで相違があり、徴税の取扱いが異なっていると思われる。日本企業の中には広東省での事業展開のためハイテク産業の技術移転を促進したいと願っている企業も少なくないと承知しており、広東省の産業の高度化にも寄与するものと思われる。そのためにも、技術援助契約に基づく出張者の活動にはPE認定しないなどの統一的な解釈をお願いしたい。
(ロ)回答
国家税務局及び地方税務局ともPE認定の基準は同じである。当該役務提供が準備的、補足的なものであればPEではないと判断される。また、機械等の購入に当たりそれと関連する業務の場合PEとならない。したがって、出張者の技術援助契約が独立した契約か否かも判断基準となる。個別の問題があれば、具体的事例を挙げて相談していただきたい。
(3)会計と税務の区分
(イ)要望
会計帳簿は企業会計制度に従い作成し、課税所得は税法に従い計算され、両者の差は税務申告調整として処理すべき問題であると認識するが、一部税務署では税務基準で決算書の作成を求められることがある。売上げ計上、発票の取扱い等につき、会計と税務の分離を明確にしていただきたい。
(ロ)回答
会計帳簿は企業会計制度に従い、課税所得は税法に従い、両者の差は税務申告調整するという方法は中央規定に基づくものであり、ご指摘のとおりである。改めて各税務署に対しこの方法を徹底させたい。
(4)海外出張時の必要経費
(イ)要望
一部税務署では、海外出張時の必要経費は海外で発票制度がないため損益計上できないと言われることがある。改善願いたい。
(ロ)回答
海外で発票がなくとも、コンピュータ印刷の領収書等証明となる文書があれば損益計上できる。ただし、当然申告事項に本当に関連する必要経費であるかは調査する。改めて各税務署に対し損益計上の方法を徹底させたい。
(5)国産設備に対する増値税還付
(イ)要望
関連規定によれば、国産設備を購入した際に支払った増値税は全額還付ができると理解しているが、この手続ができない。特に還付申告手続は増値税専用領収書発行日から90日以内に実施することとされているが、事実上できない中での救済もお願いしたい。
(ロ)回答
還付申告手続が期限内にできない場合、事前に税務署に申し出れば、手続の延長ができる。改めて各税務署に対し手続の延長を徹底させたい。
(6)一部事務機器メーカーに対する推定利益課税
(イ)要望
一部事務機器メーカーに対して一律5%の推定利益課税を実施する旨の指示が国家税務総局から発出されたとの報道や企業からの相談があるが、事実か否か確認したい。仮に事実だとすれば、一律5%の推定利益課税の実施根拠を明示いただきたい。
(ロ)回答
ご指摘のようなことが決定されたとは承知していない。移転価格税制については、正確な価格、費用などの根拠資料の提出がない場合、推定利益課税とすることができるとの規定はあるが、一律に推定利益課税とすることが決定されたとは承知していない。ただし、以前複写機メーカーを中心として業界の調査し、平均の利益率が5%という調査結果が出たと聞いている。個別の問題があれば、具体的事例を挙げて相談していただきたい。
(7)進料加工の転厰取引に係る増値税の取扱い
(イ)要望
現在、進料加工の転厰取引は、増値税を「徴税せず、還付せず」という政策を採用していると理解しているが、同政策が今後も継続することを確認したい。万一変更する場合には、甚大な影響を及ぼすため、既に進出している企業に対して既に認可されている経営期間内は適用しないこととするか、あるいは万が一適用する場合でも段階的移行・緩和措置を設定していただきたい。
(ロ)回答
ご指摘の政策が直ちに変更されるということは聞いていない。当面は継続されるものと理解している。現在、学者の間で同政策の調整方法につき研究しているが(①現状維持、②先ず徴収後、輸出されたことを確認後還付する、③年末に一括還付(免・抵・退方式)、④企業の管理状況を踏まえ、問題のない企業については現状維持、問題のある企業については徴収後還付する等の方法)、いずれにせよ検討段階である。広東省としては従来どおり同政策を継続したいと考えている。
(8)外資企業に対する優遇措置
(イ)要望
外資企業に対する優遇措置を継続していただきたい。仮に内外企業所得税一本化等の措置がとられる場合には、段階的移行・緩和措置を設定していただきたい。
(ロ)回答
内外企業所得税一本化については、昨年実態調査が行われ、12月全国人民代表大会常務委員会に新「企業所得税法」の草案が提出されたと承知している。日本側の要望事項は承知した。上級政府に報告・反映することとしたい。
(9)公平、迅速な税務
(イ)日本側より、①税務解釈が各税務署間で異なったり、税務署長が交替すると変更される場合や、②納税関係の登録許可関連手続きが大きく遅延する場合があり、こうした点を改善願いたいと要望した。
(ロ)これに対し、先方より、全体的な議論の中で、要望は承知した、今後とも改善していきたいとの回答があった。
(了)
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