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謝鵬飛・広東省副秘書長兼発展研究中心主任
の講演会を実施しました
在広州日本国総領事館
平成19年3月21日
3月14日に、広州日本商工会との共催で、広東省副秘書長兼広東省発展研究中心主任である謝鵬飛先生を講師にお招きし、広東省経済の現状と将来展望についての講演会を開催いたしましたので、講演概要をお知らせ致します。
なお、謝鵬飛・副秘書長が主任を勤められている広東省発展研究中心は、省政府直属のシンクタンクとして、広東省における政策研究・政策決定について大きな役割を果たしております。
1. 講演概要
(1)広東省経済の現状
現在の広東省経済の現状は良い方向性に向かっていると言え、この現況を考察すると以下の3点を強調することが出来る。
第一に、経済発展の速度が速く、経済発展の質的向上や経済効率の改善の点でも、順調に推移していることが指摘できる。06年の広東省のGDPは、2.5兆億元を突破したが、この経済規模は世界各国との比較でも、第21位の水準であり、08年には、現在20位である台湾を追い越すことが見込まれている。更に、2015年には、韓国の経済規模を上回ることが想定出来る。
また、貿易額も、06年には5,000億ドルを上回っており、その貿易規模はロシアを上回る水準にあり、広東省の財政収入も5,000億元に達しており、全国の約1/7を占めており、着実な経済発展の進展を確認することが出来る。 第二に、広東省の産業構造の改善が着実に進んでいることを指摘できる。軽工業と重工業の比率が前年の43.7:56.3から、06年には、40.1:59.9と全体の約6割を重工業が占めるようになり、重工業化の進展が明確になってきている。特に、ハイテク産業の急速な集積が進んでおり、これら産業の総生産額は対前年比26.8%となり、非常に顕著な傾向が現れている。自動車、電子機器、電気機械等のハイテク産業は既に広東省経済の重要な柱になっていると言うことが出来る。
第三点目としては、エネルギー効率の改善や環境汚染・環境への負荷の軽減等の点で大幅な改善が見られている。例えば、広東省のエネルギー効率は近年、向上してきており、広東省でのエネルギー使用水準は全国平均の65%程度に留まっている。このほか、環境汚染や二酸化炭素等、化学物質の排出の削減においても改善が見られ、全国で最も対策が進んでいる地域となっている。
(2)広東省経済の将来展望(第11次五カ年計画期の見通し)
第11次五カ年計画期における経済展望については、今後も順調に推移していくことを想定している。第11次5カ年計画では、2010年のGDPを、2000年のGDPの2倍にすることを目指しており、毎年9%の成長率を想定している。しかし実際には、毎年10%を超える成長率が達成されるとの見通しであり、ゆとりある小康社会に到達することが期待される。
また、第11次五カ年計画においては、新しい「十大工程」の推進を掲げており、総合運輸分野、エネルギー供給体制の確立、水利プロジェクトの推進、石油化学等の重化学工業プロジェクトの推進、サービス産業の発展、環境・生態系の保全等、10の重点分野への積極的な投資を計画している。これらプロジェクトの総投資額は、1.5兆元に達し、重要プロジェクトは233項目にのぼっている。
特に、産業の高度化、重工業化の推進による産業発展・国際競争力の確保をめざしており、電子機器、電気機械(機械・家電)、石油化工、紡績・服装、食品飲料、建材、造紙、医薬品、自動車の9つの産業・10の分野の振興に重点を置いている。その中でも、石油化学分野に関しては、製油・精製施設の整備・拡充のために、5つの大きなプロジェクトを計画しており、毎年1500万トンずつ、精製能力を増加させる予定であるほか、エチレンの生産量増加のため、5つのプロジェクトを推進している。
これ以外にも、自動車産業や鉄鋼産業、現代サービス産業分野の振興が計画されているが、広東省として、今後、最も重視している分野は重化学工業と現代サービス産業である。
(3)日系企業等の関心事項・ホットイシューについて
(イ)内外企業の企業所得税等の税制統一については、現在、改訂作業中であるが(注:3月16日に全人代で可決・成立)、税制改正の実施によって、直ちに外資企業に大きなマイナスの影響をもたらすとは考えられない。 企業所得税等の各種外資優遇政策は、中国のこれまで30年近くの経済発展を促進する上で不可欠な重要な政策であったが、中国の経済発展、WTOへの加入等、中国経済を取り巻く環境が変わって来ていることも事実であり、今回の企業所得税の内外企業の統一は、公平な競争市場の確立、健全な経済発展のために必要な取組であり、総体的に見れば、外資企業にとってもマイナスの影響にはならないと考えている。
具体的に言えば、(1)今回の改正においても、ハイテク、環境保護、農業、資源・エネルギーの節約等に該当する産業では引き続き、優遇措置を享受することが出来る。今回の改正は地域的な優遇から産業別の優遇に切り替えているに過ぎない。(2)進出済み外資企業に対しては、まだ、詳細は決まっていないが、一定の経過措置が適用される予定であり、直ちに新しい制度が適用されるわけではない。(3)中国経済は今後も順調に発展する見通しであり、外資企業の前途は開けている。個人的には言えば、企業経営にとって納税は当然のことであり、個別の優遇政策にあまり拘ることなく、長期的視点に立ち、中国の成長・発展に合わせた企業の発展を図ることが大切だと考えている。
(ロ)加工貿易に関する各種調整に関しては、昨年9月の増値税の還付率の調整から始まっているが、中国経済全体の調整政策として実施してきているが、この一連の調整の主要な目的は、輸出製品の付加価値の向上、資源の効率的利用を通じた貿易の健全な発展を意図している。 具体的には、資源量が限られた有色金属等の品目の輸出抑制(内需への転換)、エネルギー・資源の高消費、環境へ高い負荷をかけている産業等の抑制を期待している一方で、技術設備、IT製品、医薬品等の産業については、還付率を上昇させ、投資を奨励している。中国政府はこれら政策を通して、輸出産業構造の向上を図り、輸出超過の現状を改善したいと考えている。 このため、既に進出している企業、特に、技術レベルが低い、労働効率が低い等の加工貿易企業にとっては様々な影響があるが、この機会をチャンスと捉え、国内市場への参入、投入技術の高度化等を検討すべきと考えている。
(ハ)広東省における電力供給問題については、第11次五カ年計画の中でも、発電所の整備を進めており、現在の約5,800万KWの発電量を、2010年には約8,000万KWにまで増強する計画である。現在、いくつかの電力供給プロジェクトの完工期を迎えており、広東省における電力不足の問題は解決に向かう見通しである。今年の第1四半期には、まだ電力不足は残るものの、第2四半期以降は概ね需給バランスが均衡すると想定しており、来年以降の電力事情は更に改善していく見通しである。
2.質疑応答
(1)講演の中で、今後、広東省が特に重視する分野は重化学工業と現代サービス業とのことだが、現代サービス業とは具体的にはどのような業種を想定しているのか。
(回答)金融、物流、ITサービス、文化産業、法律・会計等のコンサルタント、コンベンション関連等を想定している。
(2)増値税の還付率調整については、環境負荷が高い、高エネルギー消費等の製品を、製品名を元に一律調整を行っているようだが、個別製品・個別企業を比較すると、同一分類の製品であっても、各個の製造過程では、環境負荷やエネルギー節減等の取組を行っている事例もあり、これら個別事項に留意し、還付率を調整することは可能か。
(回答)増値税の還付率の調整は多品目に渡っており、個別事項についてこの場で回答できないが、持ち帰って検討を行うことは可能。ただし、税制度についての決定権は、中央政府の所管事項であることは理解して欲しい。
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