スペースgif
  
領事関係

広東省企業民主管理条例草案(報道振り)


 
 8月5日付「南方日報」は、労働争議、賃金の集団協議制等についてどの様な規定がなされるか注目されている「広東省企業民主管理条例」(以下、「条例」)が9月末に公布される見込みであり、現在検討中の草案では労働者(原文「職工」)の権利擁護とともに企業の発展促進も強調されている旨報じているところ、その概要は次の通りです。なお、本記事は、記者が広東省総工会の孔祥鴻・巡視員に取材した結果をまとめたものです。  
  ご参考までに記事内容をお知らせします。

1.7月21日に広東省全人代常務委員会に付託され3回目の審議を経た条例案は、従来の草案(第2稿)に再度修正を加え、現在、各方面の意見を広く聴取しており、順調であれば9月下旬に省全人代常務委員会の会議で審議・採択される見込みである。

2.条例草案第3稿対照表によれば、5分の1の従業員の要求により賃金の集団協議を行うこと、協議期間中、労働者は過激な行動を採ってはならないこと等、関心を集めている中心的な内容は基本的に保留されており、「民主的な管理を通じて労働者個人の発展と企業の長期的な発展の結合を実現する」、「従業員の合法的な権利を代表し擁護する」、「企業の発展を促進する」ことが更に強調されている。

3.(1)条例案第3稿については、利益関係者の意見をできるだけ反映させるために、現在、政府部門、労働者、公有制企業及び非公有企業の4分野で広く社会各層の意見が聴取されている。その内、労働者については省総工会が企業の工会代表及び工会主席の意見を聴取しており、非公有企業については省工商連合会及び省企業連合会を通じて意見を聞いている。
(2)公有制企業と非公有企業とを分ける理由については、条例中の一部条項は国有企業、集団所有制企業及び国有・集団株式会社と非公有企業とに対して異なる要求を出しているからであり、また、公有制企業の労働者代表大会と非公有企業の労働者代表大会はその権限に差があるからである。

4.(1)条例は、2008年7月に初めて審議に付されたが、金融危機のために審議が中断された。本年、省全人代常務委員会の審議に付された第2稿には、第5章「賃金の集団協議」及び第6章「争議の調和と処理」が新たに追加され、この追加部分が社会各界の関心を集めることとなった。
(2)最近広東省で発生した集団労働争議事件の増加状況に鑑み、集団労働争議事件をできるだけ早期に法制化、規範化の軌道に乗せて解決する必要があり、このことは各級政府及び各級工会が直面する重大な課題となっている。
(3)現在、中国全国では8省・市・自治区において地方立法の形で企業民主管理条例又は集団協議条例が制定されているが、集団協議の制度規範性及び労資三者(当館注:労働者、企業、政府)への具体的要求については、条例草案の規定が全国で最も完全なものである。

5.(1)条例中の5分の1の労働者の要求により賃金の集団協議を行わなければならないとの規定について労働者側に偏りすぎているのではないかとの意見があるが、条例中の労資三者に対する要求は平等であり、草案中の労資三者の権利については出来る限り平等に対応しどちら側にも偏らないものとなっている。例えば、新草案には「企業の発展を促進」、「民主的な管理を通じて労働者個人の発展と企業の長期的な発展とを結合」との内容が特別に書き加えられている。
(2)他方、「労働者が法律に基づいて賃金集団協議の要求を出していない段階、あるいは集団協議期間中においては、労働者はストライキ(原文は「停工」)、サボタージュ又はその他の過激な行動により企業に対して賃金調整を要求してはならない。」との規定に関して、集団協議を規範化するとの名目でストライキを禁止する法律を作ろうとしていると解説する人もいる。  
 しかし、こうした規定振りは、国際的標準に合っており、実際、最近発生した集団的な労働争議事件において、先ずストライキをし、その後に要求を提出するといった非理性的な行動により企業に重大な損失を与えた例が発生している。  
 この規定は、労働者にストライキを行わせないようにするものではなく、労働者側に先ず、理性的で正当な要求を出させ、労資双方の利益衝突を法制化の軌道に乗せて解決しようとするものである。

(了)


スペースgif