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広州市政府との社会保険意見交換会概要について






 

 中国における社会保険制度については、社会保険法が昨年10月に公布、今年7月1日に施行され、また、「中国国内で就業する外国人の社会保険加入に関する暫定弁法」が9月6日に公布、10月15日に施行されたところです。同法では、中国で就業する外国人も加入の対象と規定されていることから、中国における日系企業の負担が大きくなることが懸念され、日本政府は中国政府に対して、2国間協定締結に向けた協議を開始し、10月13日、14日には、第1回の正式協議が実施されました。(当館HP参照)

 10月15日の暫定弁法施行を受け、11月1日、当館では、ジェトロ広州事務所、広州日本商工会とともに、広州市政府人力・社会資源保障局(人社局)及び広州市地方税務局(地税局)と、外国人の社会保険加入手続き等について意見交換を行いました。
 当館からは、広州市で就業する日本人の社会保険加入について、加入対象や時期に関する質問や経過措置の要望等について伝え、広州市側から、制度に関する説明や質問・要望に対する回答がありました。

 広州市側からは、現時点で加入は自主申告制であり、弾力的な対応をするとの発言がありました。他方、日系企業の労務形態について認識の異なる点があることや、今後の方針や関連規程の動向によって、対応が変わる可能性も考えられますので、引き続き、社会保険当局の動向を注視する必要があります。

【広州市側の主な発言概要】

1.加入の時期については、10月15日から対象となる外国人就業者について社会保険の加入・納付開始となる。各地区の地税局分局で納付手続きを受け付ける。
 日本側の要望している経過措置は広州市では行う予定は無い。

2.外国人の社会保険加入にかかる実施細則について、広州市レベルでは策定する予定は無い。今後、国や省レベルで策定されればそれに従う。
 また、社会保険加入は企業からの自主申告により行うこととなる。今のところ、実施細則は無く、新しい制度であるため、市政府としては弾力的な対応を行うこととしている。

3.広州市人力資源社会保障局では、広州市で就業する外国人の社会保険加入の対象となる条件について、以下2つの場合を想定している。
(1)現地で採用され現地法人と雇用契約を結び、現地法人から給与等支払いを受けている者は社会保険に加入。
(2)本国の親会社からの出向・出張者については、本国から給与等の支払いを受け、現地法人と経済的関係が無い場合は、社会保険に加入する必要はない。
(当館注:実態は出向者や駐在員は現地法人が給与を支払っているケースが多く、該当するケースは少ないと考えられます。)

4.コンプライアンスや労務問題にかかるリスク回避からも社会保険への加入は必要。

【個別の質疑応答内容】

(日本側)
 納付比率、基数は中国人と外国人で異なるのか。
(人社局)
 全て同じである。香港、マカオ、台湾籍も同様。中国の身分証が無い人間はそれぞれ社会保障コードを取得し加入することになる。
(日本側)
 市外での医療保険の利用、加入について。
(人社局)
 市外での医療保険の利用について、例えば広州市から深セン市の会社に出向、出張する社員が深センで医療保険を使用する場合、保険料納付は広州で行い、受給内容も広州の規則に従うことになる。実際に深センで医療を受ける場合は、広州の人社局で遠隔地医療手続きを行えば、深センで医療を受けることができる。
 広州では、医療カードを使い広州の病院で医療を受け、人社局から病院に支払いが行われることになる。深センでは広州の医療カードは使用できないため、深センの病院では本人が支払いを立て替え、広州の人社局で精算手続きをすることになる。受給条件は広州の基準となる。
 広州市で雇用契約を結んだ場合、深セン市で社会保険に加入することはできない。社会保険は属地主義である。
(日本側)
 養老保険は60歳から受給となっているが、60歳以上の外国人は保険に加入することになるのか。
(人社局)
 男性60歳、女性55歳以上の場合は、従業員の養老保険に加入する必要は無い。ただし、国民年金があるので、国民年金に加入すればよい。
(日本側)
 60歳以上の男性が就業ビザを取得し中国で働く場合は、保険に加入する必要は無いのか。
(人社局)
 中国では質問のような60歳以上のケースや、出産(生育)保険を外国人(一人っ子政策の対象外)に適用する場合のケースなど、想定していないケースがあり、このような問題は広州市レベルでは判断できない。
(日本側)
 日本人が中国で離職した場合、失業保険はもらえるのか。
(地税局)
 制度的には受給可能。毎月受給と一括受給の方法があるため、出稼ぎ労働者や外国人は一括受給を選べばよい。
 養老保険については、受給条件として、男性60歳以上、女性55歳以上と15年以上の納付年数が条件。60歳以上でも15年未満の納付年数の場合、納付を継続することは可能。



 
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