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    中国南方電網有限責任公司との意見交換について



2011年7月12日

在広州日本国総領事館

 

 7月12日、当館は、ジェトロ広州事務所と共に、南方電網(広東、広西、海南、雲南、貴州を管轄する国営送電企業)関係者と各地日本商工会等代表との意見交換会を開催し、電力供給の状況や日系企業にとって問題となっている停電の多発等について意見交換を行いました。意見交換の内容は以下のとおりです。

【概要】
●日本側からは、企業への停電の要請の通知の前倒し(1~2週間前の通知)、来年以降の電力供給の見通しの説明、個別の停電状況の改善について要望を伝えた。
●先方からは次のとおり説明がなされた。
・電力供給が需要増に追いつかず、ユーザーである企業に迷惑をかけていることをお詫びしたい。
・今年は年間を通じて電力需給は逼迫しており、来年以降もこの状況は続くと予想されるが、今年の最大逼迫時期は6月であり、年後半は徐々に改善していく見通し。
・停電の通知については、気象状況を分析しながら毎日、翌日分の需給予測や配分の検討を行っているため、企業への通知は前日となる仕組み。
・電力供給の配分量や供給を優先・制限する企業等の基準は政府が省、市段階で決定しており、南方電網はそれを受け傘下の各地供電局が企業宛に停電の要請を行っているため、直接配分量や基準について見直すことはできないが、要望は政府に伝える。
●今後必要に応じて市レベル(南方電網傘下の各市供電局)でも意見交換を行っていくこととなった。

【意見交換の内容】
1.南方電網からの説明
(1)南方電網の管轄等について
南方電網、広東電網、広州市供電局などは1つの組織である。南方電網は広東、広西、雲南、貴州、海南各省・自治区を管轄しており、その傘下にある組織が省レベルの広東電網であり、その下に市レベルの広州市供電局等、その下に区や鎮レベルの末端の供電局が存在している。
(2)広東省の電力供給状況説明
今年の広東省の電力状況は逼迫しており、日系企業以外からの関心も高い。経済発展による電力需要の増加に供給が追いつかない状況が続いている。今年の最高消費予測は4,466億kw/hであり、前年比10%増となっている。電力負荷は最高7,800万kwで前年比12%増であり、これは英国全土の消費と同水準となっている。
 今年は様々な要因のため、1年を通じ電力不足が発生する恐れがある。今年の旧正月前後は安定していたが、それ以降第1四半期の不足は100~200万kw程度となった。特に、6~7月は気温が上昇し電力消費が増えたこともあり、不足量は600万kwまで上昇している。
 主な要因は以下のとおり。
①広東省の経済成長、企業誘致等で電力消費が急増していること
②今年は平年より気温が高く、空調の電力消費量が増加していること(統計によると広東省の電力消費の1/3以上は空調によるものとされている)
③西部地域の電力不足。広東省の電力供給の1/3は西部(雲南、広西、貴州)から供給されているが、春まで水不足で雲南・貴州省は水力発電量が不足し、貴州省では石炭不足で火力発電量も低下している(炭坑事故多発による採掘制限)
④広東省の発電施設整備不足
 第3四半期は450万kw不足、第4四半期は400万kw不足の見込み。来年以降も状況に変化は無いと予想される。しかし、今年一番の逼迫期は6月だったと考えている。これは、6月に東莞-深セン間で50万kv規模の送電設備の工事があり、そのため周辺の電力施設もストップすることとなったため。日本側要望にある東莞市や中山市の不足状況についてはこの工事による電力不足状況悪化の影響によるものと考えられる。
 電力ユーザーへの負担軽減に向け、今年も広東省政府と意見交換を行い、対応策を講じている。
 具体的な対応策として以下を講じているが、今後ともユーザーの負担軽減に取り組みたい。
①西部地域からの電力供給量の増強。貴州省の電力供給は今年低減しているので、今年前半に雲南省から50万kwの供給を増強している。
②東莞-深セン間の電力設備工事は期間を12日間短縮させた。また、工事により従来より250万kw送電能力が向上した。
③広東省内発電所のメンテナンスの時期を調整し、供電量を維持している。2ヶ所で160万kw分。
④ガス発電所の稼働により、100万kwの供電増
⑤香港の電力会社から40万kwの電力購入
(3)電力調整・ピークシフトの仕組みについての説明(南方電網)
 電力供給は各省自治区政府の指示に従っている。例えば、広東省では経済情報化委員会(省経済信息化委員会)が電力の不足量を21都市に配分し、各都市で優先順位を付したリストを作る。リストに基づき南方電網傘下の各地供電局が電力供給制限を実施する。優先順位を決める基準も政府が決めている。
 優先順は、①民生部門(生活用)、②テレビ、交通など公共関係、③市の重要企業(技術、生産性の高い企業)となる。一方、制限対象は、エネルギー消費の大きい企業、汚染物質を排出する企業、生産性の低い企業などである。このリストは政府指示により作成・公表するもの。
(4)広州市の電力供給状況説明(広州市供電局)
 今年ピーク時の最大需要は1250万~1700万kwの見通し。前年比100万kwの増加。
 年間供電能力は640億kw/h。対象地域は越秀区、海珠区、茘湾区、白雲区、羅崗区、天河区、黄埔区、増城区、番禺区、従化区、花都区の11地域。
 今年7~9月の電力不足は100万kwの予想。7月の最高電力利用量は1158.7万kwで前年比2.24%増。現在、広州市は第6級調整中。これは100kv以上のユーザーはピーク時40~60%に制限する措置。政府指示により南沙区の日系企業(50社以上)には優先して電力供給しており、90%の企業は優先企業として制限せず。10%には制限要求している。
 広州市供電局は、市政府、南方電網本社の指示に従い、企業に対し電力調整の説明を行っている。広州市政府も節電の通知を交付し、住民や企業に節電を呼びかけている。例えば市も珠江沿いのライトアップを制限するなどの対応をしている。
・企業に対する停電措置については、エネルギー消費量の大きい企業に対して実施される。電力状況の予測・事前通知を強化したい。広州市では35%が一般市民の空調による電力消費であり、民生部門の比重が高い。

2.日本側からの要望事項等説明
 事前に調査した地域ごとの具体的要望についてペーパーに沿い説明。日系企業としては広東省の状況を理解しており、節電に協力したいと考えているが、特に問題としているのは、停電の通知が遅いということ、今後の生産計画を立てる上で、今後の見通しを知りたいという2点である。

3.上記2に対する南方電網からの回答
(1)提起された地域の電力不足状況について、6/7~6/12のデータに基づくものと思われる。これは先ほど説明した今年一番の逼迫期にあたる。
(2)電力施設の工事が終わったが、まだ国から批准が下りていないユニットがあるので対応を進めたい。今年後半は悪化しないと考えている。企業に対して週3日の停電措置は厳しい内容と考える。週2日であれば企業も対応可能ではないか。週2日の停電措置は労働法上の週休2日制と合致する。
(3)今年、11日までの広東省の停電は延べ169万回(企業、一般家庭含む)20.7億kw/hだった。これは珠江デルタ9地域と重なる。電力工事により、東莞では52万回8億kw/h以上、、深センでは4.2億kw/h以上、広州市は27万回、1.7億kw/h以上だった。
(4)肇慶市での停電については、政府の政策で多くの企業が移転してきた大旺区と四会地区に停電が多い。送電能力拡充が需要に追いついていない。今後、新しい電力施設のプロジェクト(注:原発ではない由)もあるので今後地域の状況は改善の見通し。
(5)停電のプロセスについては年初に電力制限の案が作成される。政府が電力量の分析を行い、予測を元に計画を作る。不足量を月に換算し、今後のニーズと供給状況を各市に通達する。毎日、天候等の要素を盛り込み翌日の需要と供給能力を予測し計画を立て、翌日の電力供給の調整を行っている。市は計画に従い、区、鎮の停電を調整、各鎮は市の調整に従い各企業に通知を行うので、企業に届くのは前日夕方頃になってしまう。通知のタイミングはできるだけ早めるよう努力はしている。
 通知時期の1~2週間前倒しの要望については、メリット、デメリットがあると考えられる。電力供給は気象条件、特に気温にも大きな影響を受ける。特に海に近い地域では予測が困難である。そのため、通知を前倒しすると、不必要な制限を実施してしまう可能性もあり、企業に損失を与える可能性がある。現在は1~2週間前に正確な予測を立てて通知することは困難である。
(6)東莞長安鎮、中山市、肇慶市の要望について
 週3日の停電については企業への影響も大きいことは認識している。先ほど述べたとおり今後は週2日にできる見込み。
 割増料金による電力供給増の対応はしていない。電力の価格は公定価格であり、割増料金などの設定は物価局の許可が下りない。以前、メディアで同様の報道があったが事実ではない。重油価格についても政府決定である。肇慶市の納税額による電力供給差別化の件も含め、要望については政府にも伝えたい。

4.質疑応答
(日系企業)
(1)政府が電力供給量の方針を決定するとのことだが部局はどこになるのか。
(2)広東省で450万kw、広州市で100万kwの不足との話だが、広州市以外の350万kwの不足分は広東省内のどの都市にどれくらいの割合なのか。
(3)8月について、各地域に電力配分量の指示は出ているのか。参考値でも知りたい。

(広東電網)
(1)について、政府の担当部局について、広東省では省経済情報化委員会、市では市経済情報化委員会(局・庁)となる。
(2)について、電力の不足量は最大値であり、また、省と市の最大消費の時期も必ずしも一致しないことから単純な引き算はできない。各市政府は省政府の決定する配分案に基づき供給量を決める。
(3)について、7月~9月の配分案は既に出ているが、大体の計画であり、毎日の状況により変わる。第3四半期の最大不足量は600万kwと予測されているが、節電努力等により実際は400万kw程度の不足になると思われる。不足分の各市への割り当ては、市の電力使用の構造を踏まえて決められる。東莞市は工業部門の使用率が70%、広州は58%であり、民生部門が優先されるため、東莞市の工場の停電の割合は広州に比べ高くなる。政府の計画を基準として各地域で供給量を計算するが、各市の供電局がどのような分析をしているかまでは把握していない。

(了)

 
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